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胃カメラ

ピロリ菌の除菌・保険適用の拡大について

2013年06月18日

ヘリコバクター・ピロリ菌については、メディアでも多数取り上げられ、多くの患者様からご質問をいただくようになりました。

ピロリ菌の除菌治療については、これまで内視鏡にて胃潰瘍や十二指腸潰瘍、その他の疾患が認められる場合にのみ、医療保険で除菌治療が可能でした。

平成25年2月から、「慢性胃炎」でも医療保険でピロリ菌の除菌が可能となりました。
下写真は40歳代・男性の内視鏡所見です。

強い萎縮性胃炎(左)と胃のヒダの浮腫状変化や粘液の付着(右)を認めます。
内視鏡医から見ると、あきらかなピロリ菌による活動性胃炎ですが、他に胃潰瘍や十二指腸潰瘍が存在しなかったため、医療保険による除菌治療が不可能でした。

今回の保険適用拡大により、このような「慢性胃炎」の方も医療保険でピロリ菌の除菌治療がうけられるようになりました。

胃癌の好発年齢が中年・高年期であり、癌細胞が発生してから、臨床的に確認できるまでの期間(内視鏡で観察できるようになるまでの期間)を考えると、若い時期にピロリ菌除菌が行えるのは、大変有意義なことだと思います。

実際に除菌治療を行うケースが日々増加しています。ただし除菌治療にともなう副作用のリスクもあるので、やはり個々の胃炎の状態、薬のアレルギーの可能性などを総合的に判断する必要があります。十分に主治医と相談して、ご自身の除菌治療についてご検討下さい。

ピロリ除菌治療の効果・メリット(番外編)

2012年03月18日

ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療についての番外編です(本編は今のところありません。)

ピロリ菌については、ウェブ上でも様々な情報があり、除菌治療を行うことで、
①胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発率を下げる。
②胃癌になりにくくなる。
などの効果が期待されると言われています。

ここで取り上げる除菌治療のメリットは、
「ピロリ胃炎の改善により、検診精度が上がる」という点です。

下に掲載の写真は、同一症例での胃カメラの所見です 。

(左)除菌前                        (右)除菌成功1年後

(左)除菌前では、胃の中に白い粘液が多く、ヒダが肥厚(胃粘膜がむくんでいるために、このように見えます。)して、特にヒダとヒダの隙間の観察が困難です。もちろん検査前に“胃内粘液の溶解除去剤”を服用していただき、できる限り胃内を洗浄した後の所見です。それでも粘液の下やヒダの隙間に小さな病変が隠れていた場合に発見が困難なことがあります。

(右)除菌成功1年後には、粘液はほぼ完全に消失しており、ヒダの肥厚が改善しており、より詳細な検査が可能です。もちろん粘液を洗う時間が短縮され、検査時間も短縮されます。

除菌治療を受けても、胃癌が絶対に出来なくなるわけではないので、検診の継続は必要です。ただ同じ検査を受けるとしても、除菌前後ではその精度は大きく変わります。また検査時間の短縮にもつながるので、除菌治療の大きなメリットの一つと考えられます。

 

経鼻内視鏡でもオエッとなる方へ

2011年07月01日

オエッとなる嘔吐反射を起こさない楽な内視鏡として開発された経鼻内視鏡ですが、それでも何回もオエッとなってしまうという方も多くおられます。

左の写真のように、

舌を前に出して歯で軽く噛んでおきましょう。

経鼻内視鏡では、舌の付け根にスコープが接触しないので嘔吐反射が起こりにくいと言われます。

胃カメラの検査では経鼻でも経口でも口、のど元に異物がある状態なので、思わず舌で触りたくなるものです。

舌を動かさないのが胃カメラを楽にうける一つのコツなのですが、経口内視鏡ではその感覚を言葉で表現することはなかなか難しいですね(得意・不得意、個人差が大きいです。)

でも経鼻内視鏡では口が自由なので、歯で軽く噛んで固定しておくことによって、より嘔吐反射を抑えようという発想です。

嘔吐反射は舌根への接触でのみで誘発されるわけではありません。
不愉快なものを見て、オエッとなることもありますよね?

いかにリラックスできるかが最も大事なポイントです。

オエッとなる(嘔吐反射)・・を和らげるために

 

 

 

 

胃カメラの検査中、ムセてしまわないために

2011年06月17日

「ムセて窒息しそうになるから胃カメラは嫌だ!」というのも、嫌われる1つの要因ですが、これも受け手の工夫で防ぐことはできます。

胃カメラの検査でむせてしまうのは、唾を飲み込んでしまうからです。通常、食事を飲み込むときは気管に入ってしまわないように、フタ(喉頭蓋:こうとうがい)がされるのですが、のどに局所麻酔が効いているので、このフタが上手く動きません。そのため気管に唾液が流れ込んでしまい、あわてて水を飲み込んだときと同じように、反射でムセるのです。

胃カメラの検査では「唾を飲まないで下さいね」と言われます。

ムセないためには「唾を飲み込まなければ良い」のですが、

口の中に唾液が貯まってくると、思わず・・反射的に・・飲みたくなってしまうものです。

私が検査を始める前に、「唾を飲まないで下さいね」とお願いすると、患者様から「え~っ・・絶対無理!!」と言われることがよくあります。

どうすればよいでしょう?簡単にできる解決法を一つ

“顔の向き”に気をつけましょう

あまり極端な姿勢をとると検査に支障が出るかもしれないので、ご自身の検査担当医の指示に従って下さい。

私のいつものセリフは「少しうつ伏せ加減で~・・歯の力を抜きましょう~・・枕にギュッと頭を沈めて~」です。( “オエッとなる(嘔吐反射)・・を和らげるため” も御覧下さい。)

 

オエッとなる(嘔吐反射)・・を和らげるために

2011年06月13日

「全身の力をぬいて検査を受けて下さい」とか「リラックスして下さい」など、検査ベッドで胃カメラのはじまる直前には必ず医師や看護師から言われると思いますが、意外と難しいものです。

出来るだけオエッとならずに胃カメラを受けるためには、力を抜くことがとても大事です。

体の力を抜くコツは「歯」と「首」にあります。もうすこし具体的に・・・

①歯の力を抜くこと

②検査の枕に頭をギューっと押し沈めること

をやってみて下さい。

 

①歯の力を抜く。・・・とは

口からの胃カメラの時は必ず左写真のような
マウスピースを口にくわえます。

 

この時にポイントは、  ↓↓ ここです。

左写真のような体勢で検査を受けますが、

マウスピースを決して歯を強く噛みしめないで下さい。

柔らかく柔らかく軽く噛みましょう。

 

“歯を食いしばる”と人間必ず力が入るものです。”全身の力を抜く”ためには、まず歯の力を抜きましょう。

次に、

②検査の枕に頭をギューっと押し沈める。・・・とは

首と肩の力を抜くために、枕に頭を押しつけましょう。

検査の恐怖心から、どうしても頭を持ち上げたり、首を後ろに引きたくなるものです。頭を動かそうとすると、必ず首と肩に力が入ってしまします。

 

 

 

むしろ 「頭をギュ~っと枕に押し沈める」 意識が、首と肩の力を抜くには適しています。

検査医によっても指示は異なるので、実際にはご自身が受けられる医師の指示に従って下さい。ただ、この2ポイントは ”医師の指示がなくても出来る” ほんの些細なことなので、ご自身でこっそり実践してみても良いかと思います。

些細な積み重ねで少しでも胃カメラが楽になりますように・・

 

 

 

胃カメラを楽に受けるためにしんどい理由を考える

2011年06月08日

胃カメラを楽に受けるためには・・
胃カメラのどこがしんどいかを知る必要があります。

  • オエッとなる(嘔吐反射)
  • ムセて窒息しそうになる・・
  • お腹が張って苦しい

などが、最もよく言われる胃カメラの“しんどい”要因ではないでしょうか?

内視鏡医の技術はもちろん重要ですが、実は胃カメラの場合は受ける人の得意・不得意がこれらの要因に大きく影響します。しかし胃カメラを飲むのが生まれつき得意な人はいないわけで、・・では、いつ決まるのでしょうか?

内視鏡検査を行う側から見ると、ガチガチに緊張してしまっている方の胃カメラを行うのはとても難しいです。

検査ベッドで極度の緊張をしている方の多くが、前の検査の時は死ぬほどしんどかったから・・と言われます。そんな死ぬような想いをした検査をまた受けにきて頂いて、内視鏡医としては心から感謝すべきだと感じます。

そのような内視鏡トラウマを持った方より、むしろ初めて胃カメラを受ける方のほうが、上手にリラックスして検査が終わることが多いかもしれません。トラウマを作らないために、「初めての胃カメラ」をさせていただく内視鏡医には、やや別の緊張感があるものなのです。またトラウマを抱えてこられた方に検査後、「今回は楽だった~」と言われる瞬間に良い仕事が出来たなと思います。

胃カメラの苦痛度が受ける側の要因(リラックス度や体勢など)に左右されるのであれば、そもそも楽なやり方(胃カメラの受け方)を少し知って検査に臨めば、前より楽に検査が受けられのでは?

もちろん内視鏡医や看護師が「楽な気持ちと姿勢」に誘導することが大事で、特に胃カメラの場合、それも技術に含まれます。内視鏡検査を受けるときに、「力を抜いて下さいね」「唾を飲まないで」など言われますよね?でも・・力を抜けと言われても・・初めての検査で極度の緊張状態であったり、まして前回検査でのトラウマを持っていたりすると、言われたとおりにするのは意外と難しいものです。

もう少し具体的にお話ししましょう・・・

オエッとなる(嘔吐反射)・・を和らげるために

胃カメラの検査中、ムセてしまわないために

 

 

 

経鼻内視鏡か?経口内視鏡か? ~検査法の選択~

2011年06月06日

鼻からカメラを挿入するなんて・・はじめて見たときには驚きましたが、耳鼻科の先生から見ればごく普通のことだったんだと思います。

胃カメラで最もよく耳にする苦痛は、オエッとなること(嘔吐反射)ですが、これは舌根部(口の奥の方にある舌の付け根)にスコープが触れることで引き起こされます。のど痛で口の中の診察される時と同じことですね。

経鼻内視鏡は舌根部に接触しない経路でスコープが挿入されるので、経口と比べてオエッとなりにくいのです。

自分が内視鏡検査を受けるのに経鼻内視鏡がよいのか経口内視鏡がよいのか選択に迷うところです。経鼻内視鏡か経口内視鏡を選択する上で、その違いに注目してみます。

経鼻内視鏡といっても、スコープは経鼻専用というわけではないので、もちろん口から挿入することもできます。

経鼻と経口の違いは、①使用するスコープの違い、②挿入経路の違いに分けて考えた方がわかりやすいのではないでしょうか。

①使用するスコープの違い:
様々なメーカーから多種の内視鏡が販売されていますが、経鼻に使用するスコープは太さがおよそ5mm(通常の経口スコープは大体10mm前後)と細径です。

細いことのメリットは、鼻から挿入できること、口から挿入しても嘔吐反射が比較的少なく楽なことです。反対に細いが故に、画質が通常の経口スコープ(現在最新のものではハイビジョン画像になっているものが主流です。)と比べて劣ることが最大のデメリットといえるでしょう。

つまり、どの程度の画質が必要かを考えることがスコープ選択には必要になります。

例えば・・癌のリスクの低い若い方が、胃痛のため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を疑って胃カメラを受ける場合は、細径のスコープでも十分に発見することが可能でしょう。一方で、胃癌1次検診(バリウムの検査)で要精密検査と言われ、胃癌2次検診として胃カメラを受ける場合、小さな早期胃癌を検索するため画質が高いスコープほど有利になるでしょう。もちろん「口から胃カメラなんて絶対に嫌!!」とおっしゃる方はたくさんおられるでしょうし、その場合はまったく胃カメラ検査を受けないよりは、多少画質が落ちても細径スコープで検査を受けた方が良いでしょう。ここに挙げたのはあくまで例えなので、それぞれの方に合った内視鏡検査は医師とよく相談する必要があります。

②挿入経路の違い:
鼻からか、口からの違いです。経鼻内視鏡の開発目的は「オエッとなりにくい」内視鏡検査の実現と言えるでしょう。(経鼻内視鏡でもオエッオエッの連続だったとおっしゃる方が、たまにおられます。その解決方法については後日、ご紹介したいと思います。)

経鼻内視鏡を一度受けると、次回は8割程度の方が、「次も経鼻内視鏡が良いと希望される」との宣伝文句をちらほら目にします。実際に内視鏡検査を行っていて、「次もぜったい経鼻で・・」とおっしゃる方の共通点は、鼻から喉へスコープ挿入にまったくストレスがなかったという点だと思います。いかに経鼻挿入時のストレスを無くすかがポイントなりますが、鼻孔の局所麻酔の効き具合、内視鏡医の技術(経鼻内視鏡と言っても、内視鏡である限り技術は不可欠!特に鼻道の通過には大腸カメラに共通した技術が必要と感じています。)がもちろん影響を及ぼしますが、やはり最も大きな要因はその方々の鼻孔・鼻道の形状、痛み・不快感の感じ方になると思います。経鼻内視鏡を握っていてなんの抵抗なく、容易く経鼻挿入が可能であった方でも、「痛くはないけど鼻の中の異物感が嫌い」とおっしゃる場合もあれば、見た目に明らかに狭い鼻道をなんとか挿入した方が、「まったく痛くなかった、鼻からのカメラが良い」とおっしゃる場合もあります。結局、検査を受ける個人個人によると言ってしまえば、身も蓋もありませんが、他人から経鼻内視鏡をすすめられたからといって、必ずしも自分にとって最良の方法とは限らないということは知っておいて損はないでしょう。

鼻からは抵抗感が強くて、やっぱり口から受けようと希望される方もにとっても、細径スコープはありがたい選択肢です。(経鼻用と言われる)細径スコープでも、口から挿入できないわけではありません。当然、スコープが細い方が、舌根部に接触が少なくオエッとなりにくいですし、喉の異物感も優しいです。直径5mmのアメ玉と直径10mmのアメ玉を並べて、飲み込むところを想像してみてください(危険ですので、決して実際には試さないでくださいね)。その違いは容易にイメージできるでしょう。・・・ただし10mmのアメ玉(通常径のスコープ)も自分で飲み込むのではなく、内視鏡医にお手伝いさせていただければ、想像するほどは地獄ではないはず・・と付け加えさせてください。

施設によって得意・不得意もあるでしょうし、実際に内視鏡検査を予約される際には、担当医とよく相談していただく必要があります。ご自身が内視鏡検査を受けられる目的を担当医と一緒に考え、使用するスコープ・挿入経路を決めていけば自ずと答えが出るのではないでしょうか。

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