検便検査で陽性であれば・・・
必ず大腸カメラの検査を受けましょう。
検便検査で陽性になったからといって、確かに必ず大腸がんが見つかるわけではありません。
便潜血検査で要精密検査とされる方の割合は約7%と言われますが、その中で大腸カメラ検査を受けた方に、実際に大腸がんが発見される可能性は数%程度です。ただし大腸ポリープが発見される割合は数十%と言われます。
「検便検査で2回のうち陽性だったのは1回だけだから・・」
「検便検査で陽性だったけど、特にお腹の症状もないから・・・」
と、大腸カメラを敬遠される方がたくさんおられます。
「大腸カメラなんて、誰も好んで受けたくはない」し、「まさか自分が大腸がんだなんて思いたくない」という心理が働くのでしょう。私自身も初めて大腸カメラを受けようと決心するまで、そんな気持ちでずいぶん時間を費やしました。
大腸ポリープや早期の大腸がんは、ほぼ100%完全に(再発せずにという意味です。)治ります。
また大腸がんはある程度進行していても、 完全に治る可能性が十分にあります。
大腸カメラをしていて、大腸がんが見つかると、内視鏡医としてもやはりショックであり、患者様に伝えなければならないことを心苦しく思います。一方で、がんの大きさや形を見て、手術をすれば治るだろうと思えれば、「見つかって良かった。おそらく助かるだろう。」と心の中で安堵感を浮かべるものです(大腸カメラを受けておられる患者様にいきなり「見つかって良かったね」という言葉は適切でないと考えています。)。
大腸がんや大腸ポリープが存在する確率論も、もちろん重要ですが、そんな内視鏡医としての経験(大腸カメラを握る内視鏡医は日々経験する出来事です。)からも、
検便検査で陽性であれば・・・
必ず大腸カメラの検査を受けましょう。