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癌の心配

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「癌の症状は?」という質問に対する回答は「無症状」です。
大腸癌・胃癌もしくは他の癌であっても基本的には無症状です。

癌が進行して、出血したり他の臓器に浸潤・転移をすると症状が出現するわけですが、様々な症状があるので、一口に「こんな症状」とは言えません。

便に血が混ざった・お腹が痛い・ガスがたまる・・・等々、様々な症状で外来診察や知人からご相談をいただくことがあります。私はいつも「ご自身で実際に御心配なさっている病名があれば、教えていただけると大変参考になります。」とお聞きします。多くの方が少し恥ずかしそうに「やっぱり・・癌などが心配」とお答えになります。特に若い方にその傾向は強いです。

確かに癌を強く疑うケースはほとんどありませんが・・・・・

恥ずかしがる必要は全くないのです。

「癌の心配=生命の危機に対する不安」であって、本能的に感じるのだと思います。
私自身、医師であってもお腹がいたい・咳がつづく・頭痛がつづくなどの症状がある時には、やはり「癌じゃないだろうか」なんて不安は頭をかすめます。癌の心配じゃなくても、インフルエンザで高熱を出したら、薬を服薬していても思わず「死ぬんじゃないか・・」と不安になったりもしますよね。

自分自身の体の異変に対して敏感なのは、むしろ健全だと思います。もちろん実際の臨床現場では心因性の症状も多く、過敏になるのはむしろ自分自身を苦しめる羽目になるのですが・・。

病院で診察を受けられる際には、「こんな病気が心配」と率直に医師に伝えましょう。例え的外れであっても、医師はあなたの心配を真摯に受け止めるべきなのです。医師の説明を聞いて、実際に何らかの検査が行われるのかどうかは状況次第ですが、きっと実りのある診察になるのではないでしょうか?